国際性とは何か? ~カウンセリングと国際性~

国際性というと、直ぐに英語を思い浮かべる人も多いかと思います。
また、他国の文化を知り、自国の文化を語れなければいけない、と言う人もいます。
こうしたことが出来れば、確かに国際性を高めるために有効だと思います。
けれども、これらは国際性の本質ではありません。
それでは、国際性とは何でしょうか。

今から20年程前、電機メーカーの社員としてヨーロッパに駐在していた時、日本ハンガリー経済クラブのミッションに参加して数日間ハンガリー国内を巡る機会が有りました。
当時、旧共産圏であった中東欧各国と日本との間には、ロシア東欧貿易会(現在のロシアNIS貿易会の前身)が主催する二ヶ国間経済委員会(または経済クラブ)が有り、3、4年に1回、会員企業の有志が集い、当該国を訪問するミッションが結成される慣わしでした。
その時のハンガリー訪問団には総勢20人程の参加者がいました。

私たち一行は、旧体制崩壊後に体勢を立て直して蘇った企業や新規事業を立ち上げたグループ等を訪ねて、ハンガリーの西部及び南部を巡りました。
そして、旅程も終盤になり、南部から首都のブダペストに戻る途中、ロシア東欧貿易会の担当者が、近くに在る城館に立ち寄って見学することを提案しました。

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その城館に着き、塀の中の様子を窺うと、庭で障害を持った人たちが運動をしているのが見て取れました。
かつては観光施設として公開されていたようですが、その時には、障害者のための施設として使用されていたのです。

私たち訪問団の団長は日本で福祉の仕事にも関わっていたため、折角の機会なので、表敬訪問しようと言うことになりました。
施設はシスターたちによって運営されていました。
私たちの来意を聞いた院長は、不意の訪問にもかかわらず、私たちを歓迎して広間に通してくれました。

広間にロの字型に腰掛けた私たち約20名にシスターたちは紅茶を出してくれました。
そして、私たちの質問に答えながら、院長はここで障害者のための施設を始めた経緯や思い、運営上の苦労等を語ってくれました。
小一時間程が過ぎ、院長の話に感銘を受けた私たちは心ばかりの寄付をして、施設を後にしました。

私は、広間で院長の話に耳を傾けながら、話の内容とは別に、彼女のふるまいそのものに深い感銘を受けていました。
前ぶれも無く突然訪れた日本人の男性が大多数を占める約20名の一団を全く動じることなく招じ入れ、茶をふるまい、自分の思いを自分の言葉で率直に語る院長。
私たちの会話は日本語とハンガリー語の通訳を通して行われたため、彼女はハンガリー語でしか話さず、英語は全く使われていません。
にもかかわらず、私は直感的に、これこそ本当の国際性だ、という思いを強く感じました。

自分とは異なるものを動じずに受け入れる心。
言い換えれば、多様性(ダイバーシティ)の受容。
そして、自分の思いを率直に伝えるアサーティブネス。
この2つこそ、国際性のコアを成すものだと思います。

この2つは、個人カウンセリングで強化したい目標としている項目と合致します。
他者を受容することが出来、自分の気持ちを率直に表現出来る体験をすると、自分に自信が付いて来ます。
そして、自信が付くと、他者への受容性も高まり、より率直に自己表現出来るようになります。
そうなって来ると、自然体で人と接することが出来るようになり、生き方が楽になります。

国際性というのは、特別なことではなく、上記の延長線上に在ります。
つまり、自然体で外国人と接することが出来ることが国際性なのです。

カウンセリングルーム・メイウッド

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