正体の分からない不安と向き合う ~リスナーの存在意義~

我が家のブルーベリーが収穫期を迎えました。青紫色に熟した実が点在しています。しかし、多くの実は未だ小さく、薄いピンク色をしています。そして、青くなりかけの実もちらほら見えます。 このブルーベリーの実の変容の有り様は、身体が感じた体験が徐々に姿を現して思考や感情となっていく過程を連想させます。青紫色に熟した実は、明確化されて、言葉で言い表せるようになった思考や感情。しかし、その奥には、多くの原体…

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太宰治と箱庭療法 ~枠の中のドラマ~

太宰治の『人間失格』(昭和23年)を読み返してみると、大変に箱庭療法的な小説であることに気付きます。先ずは、主人公の名前が箱庭療法そのものです。「大庭葉蔵」という名前は、「大きな庭に葉(ピース)がいくつも蔵されている」と読め、正に箱庭療法のイメージです。 大庭葉蔵という主人公の名は『人間失格』で初めて出て来るものではなく、昭和10年に発表された『道化の華』という短編小説の主人公の名として使…

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フォーカシング ~身体感覚に魂の声を聴く~

人が悩みや苦しみを感じる時には、頭で考えていることと心で感じていることが一致していません。不一致が大きくなると、それが心身症として身体症状に出たり、神経症として現れたりします。身体は頭よりも心と親和性があるので、身体の中の声に耳を傾けることで自分の心を知り、大事にすることが心身の健康を取り戻すために効果を持ちます。フォーカシングはそのための有効な技法です。 フォーカシングの開発者であるユージン…

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箱庭療法と時間の経過 ~成長による気付き~

パウル・クレーは1925年に『花ひらく木』という油彩画を描きましたが、それから9年後の1934年に、同じ構成・色彩の絵を90度左に回転し、サイズを拡大して『花ひらいて』という油彩画を作成しました。それは、1925年に『花ひらく木』を描いた当時には分からなかったことを9年後に悟り、その感覚にフィットするように改めて絵を描き直したように見えます。 絵ではなくて箱庭作品の場合も、作った当時には分から…

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箱庭療法 ~気付きとエンパワーメント~

「庭」という言葉にはプライベートな響きがあります。公園のように自由に立ち入ることが出来る場所ではなく、個人の邸宅や、城、寺院などの敷地に造られていて、持ち主の好意によって拝観出来るプライベートなスペース、という趣を持っています。「庭」はそれが付設されている建物と調和しており、持ち主の好みや個性が色濃くにじみ出ています。そして、持ち主にとっては、「庭」がとてもくつろげる癒しの空間でもあります。 …

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